あなろぐばあちゃんのつぶやき

Yahooブログ育ち、4人の孫のおばあちゃんです。

チューリップのスカート

 私の旧くからの友人に、物を捨てられない性質(たち)を嘆く人がいます。私より少し結婚が遅かった彼女は、まだ子育ての真っ最中。慌ただしさの中、歳をとって子供達が育った後取り出して楽しむためと、服やお絵描きなどを捨てることが出来ず、その整理に追われています。

 私は時々、そんな彼女がとてもうらやましくなることがあります。
 
 今は大学生の娘が保育園の頃、先生の不注意でおろしたての白いサーキュラースカートに墨汁のシミを付けたことがありました。頭をお下げになる保母さん、半べその娘。もともとイタズラが大好きな私は手元の染料を使い、落書き気分でシミを葉っぱに変え、娘が大好きなチューリップをスカートにたくさん描きました。一件落着。安堵された先生の姿と、喜ぶ娘の姿は忘れられません。そのスカートは今でも大切な「宝物」・・・・の筈。でも残念ながら、処分した記憶は無いものの、♪さがしたけれども見つからない♪品のひとつです。
 捨てられない宝物と、なくなった宝物。彼女と私の「性質」の違いです。ただそれこそ私のこういう性質は、ずっと変わらないと思うのです。

 記憶は時として思わぬ早さで風化していくことがあります。
 罪滅ぼしに、昔話をここに書き留めておこうと思い立った次第です。

*余談:なんであの時、まっとうに染み抜きにチャレンジしようとしなかったんでしょう?