あなろぐばあちゃんのつぶやき

Yahooブログ育ち、4人の孫のおばあちゃんです。

科学技術立国日本の少子化

少し前の毎日新聞で、子供を産むことを権利として捉え、選択の自由を主張される女性記者の意見が掲載されていました。

 まだまだ働く母性に厳しい社会ですし、望んでも子供に恵まれないことに苦しむ方々もたくさんおられる中、産む義務を唱えるつもりはありません。
 ただ、この頃思うのです。科学技術等人間社会におけるあらゆる進歩が、ヒトの生き物としての自然な営みの上にあることを忘れたくないと。
 種の保存と反映は全ての生き物に与えられた使命であり、もともと妊娠や出産はヒトの本能です。このことについて、「選択や権利」を主張されることには傲慢さを感じます。妊娠や出産が社会規範や理性によってコントロールされることがあっても、健康である限り、ヒトとしての使命を免れるものではないと私は考えます。命が人間の力だけで操られるものではないことを、改めて厳かに受け止める次第です。

 記事を書かれた方は「科学」関係を長く担当されてきたベテランの立派な方で、バイオサイエンス関係の記事など、鋭い視点で解りやすい記事をお書きになります。このため、知性に恵まれた素晴らしい方と大変良い印象を受けておりましたから、少し残念でした。
 私は地方高等学校の普通科を卒業し芸も資格も無く、特別の勉強もしたことが無いまま、事務のオバチャンをやっております。彼女程の知性を持ち合わせておりません。ただ、育児休業も無い時代でしたが二人の子供に恵まれ、フルタイムの仕事を続けて参りました。それなりの苦労があったと思うのですが、親に希望と子育ての喜びを与えない子供はいないと信じる人間です。少子化の今、無力なものの、子育ての喜びをたくさんの方に伝えたいと思っております。

 優秀な女性が子供を産まずに生きていくとして、その方達の老後は私どもの子供達が支えて参ります。そのことを考えると、一定年齢以上の、独身者や産まない選択をした夫婦が得る経済的メリットは、税制措置等により社会に還元されるべきと考えます。
 このようにして確保された財源を働く母性の支援に充て、命を育む社会作りに活かす仕組みを作ることは、少子化対策に大変合理的かつ有効な手段と思われます。

 確かに社会機能の見直しは大変重要なことと思います。「安心して子供など産めない世の中」と今を評する方も多くおられます。ただ、幾たびの戦争や過去の貧しかった世の中のことを思うと、安心して産める世の中もそうそう無かったと言えなくはないでしょうか。そんな中で、婚姻と出産を自然な営みとして誰もが受け入れ、使命を果たし続けて今の社会があるのです。

 妊娠中、それまで御縁の薄かった方々にいたわっていただいたことで、新しい人間関係が生まれ、また子供達を通して多くの方々と人間関係を培い、私の人生はとても豊かになったように思います。赤ちゃんとともにお母さんも成長します。新しい命とこれを育てる親を見守るのが人の世です。

 科学技術の進歩が不妊治療に役立つ以外は、深刻な少子化の中にあって、その対策に大して貢献しないことに、一抹の寂しさを感じる今日この頃です。