あなろぐばあちゃんのつぶやき

Yahooブログ育ち、4人の孫のおばあちゃんです。

千の風にはならないで

春のお彼岸の時分には、実家の墓所につづく道の脇は、紅い椿が美しい。
 
幼い頃、ぼんやりこの椿を眺め、側溝に落ちたことを、墓参の度に思い出す。
 
たんこぶ作って泥だらけ、泣くより先に、祖母の笑顔につられて笑った。
 
草を刈り、いくつもの墓石を綺麗にして、昔ながらの墓所のお掃除は結構大変な作業だった。
 
でも、祖父母とともに、年に数度ハイキングがてらの墓参は楽しみでもあった。
 
その祖父母も、会ったことのないご先祖さま達とともに、今はそこに眠る。
 
 
 
 
でじは、お墓にこだわらいということにこだわる人だ。
 
気持ちがあれば、お墓なんてどうでもいいという。
 
なので、私ひとりのわがままで、祖母が亡くなり、実家の墓を新しくする時、マスオさんをさせてもらった。
 
どうしてもこだわることのできない私が、これでどれだけ安心できたことか。。。
 
 
 
どんな時も、ここに来れば、いつも心が少し静かになる。
 
墓参のあと、見渡せば、山桜の花吹雪。
 
足下には、スミレにタンポポホトケノザ
 
愛する町は、春霞にかすむ。
 
私は、千の風になどならないよって、ふと思った。
 
人は、ひとりで生まれて、ひとりで死んでいく。
 
それでいい。
 
 
 
 
 
七日七日のお供養がだんだん日にちがあいて、残された人の気持ちが整理されていく。
 
あとは、今ある生に感謝して、亡き人を偲ぶ、折々の墓参。
 
その折々がよいと、私は思う。
 
のこされた者たちに、つくづくやさしくできているって思う。
 
心の中にいつも、いつまでも。
 
だから、私の大切な人達、その誰にも、千の風には、なって欲しくないって思った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
日曜日は、前日の春の嵐が嘘のように穏やかで、いいお日和でした。
 
老いた父母と、でじ、もうじき東京都民になる娘も一緒に、春のお墓参りができました。
 
とりとめもないつぶやき、ここに書きとめておくことにします。
 
静かな、家族の時間を過ごすことができました。