あなろぐばあちゃんのつぶやき

Yahooブログ育ち、4人の孫のおばあちゃんです。

「医療提供体制の改革に関する意見」

 現在の診療報酬体系は、費やされた医療資源の対価を診療報酬とする仕組みとなっている。このため、医師の処方に報酬はあっても、「減薬」、「処方しない様子を見る」にはリスクが伴い、知的エネルギーが費やされるにも係わらずその対価は支弁されない。
 是非、提供される医療の究極の目的は「治癒」であるという基本理念について、あらためて整理願いたい。その上で、膨張する医療コストの抜本的見直しを図る観点から、新たに「成果に対する報酬」の考え方が、診療報酬体系に導入されることを望む。

 診療報酬請求書には、「転帰」の記入欄があり、費やされた医療資源等とともに、評価に必要な情報が記載されている。しかし、この転帰によって結果の評価が行われていないことに不合理さを感じている。
減薬や治癒という成果を合理的に診療報酬に反映させる仕組みは、現在、多くの医療機関クリニカルパスの導入が進行している背景もあり、専門家による情報整理によって十分構築が可能と思われる。
 安易な多剤の併用や、漫然とした投薬の継続等は、何より患者本人の利益に反するばかりでなく、健全な保健医療運営の観点から、財政面で大きな害を及ぼしているものと思われる。

 一例をあげれば、現在増加が社会問題となっている、うつ病などの精神疾患は、受診初期に適切な治療計画を立て、カウンセリングや薬剤師による服薬指導等を行うことにより、治療の長期化が避けられるケースも多いと考えられる。これによって確保される患者と社会の利益は計り知れない。「必ず治る」という常識が浸透している疾病でありながら、診療報酬請求書上、「治癒」の転帰が見あたらない不自然さに目を向けるべきである。

 医療、特に医療資源や診療報酬体系はこれまで、医療者の視点のみで語られてきた。「医業はサービス業である」という定義は活かされていない。今、原点に立ち返り「医療の主役は患者である」という視点が求められる。



厚生労働省へのパブリックコメント
  8/16、医政局総務課 医療制度改革に関する意見募集担当宛送付より

*本来「日々のつぶやき」なんですが・・・
 経験上、患者自身も自覚すべきことと感じていますので、こちらに載せます。
 また、多くの方にお読みいただきたいので、ファン限定を解除させていただきます (^^)