あなろぐばあちゃんのつぶやき

Yahooブログ育ち、4人の孫のおばあちゃんです。

減薬における患者の心構えについて

入院中に、抗不安薬を減らす時のこと。
慎重にごく少量ずつを減らされたのですが、途中忘れていた筈の不安感が戻ってきました。

離脱症状です。

「守られている私に、新たな不安などある筈はない。」
幸い主治医をはじめとした医療スタッフへの信頼もあり、自分自身にそう言い聞かせて「少し我慢」することにしました。
要した期間は正確には覚えておりませんが、たしか2~3週間でお薬を切ることができました。
「少しの我慢」を主治医が受け入れて、「慎重に」という言葉にとらわれ過ぎず、安易に増量されなかったことを幸いに思います。
「患者を診る」基本は「患者を見る」ことで、「取り敢えず様子を見ましょう。」という主治医の言葉をあらためてありがたいと思いました。
この減薬の達成感と感謝の気持ちは、「うつ病」そのものの回復にとても大きく影響したように思います。

お薬を減らすことによって、もたらされる医療機関のメリットは一切ありません。
そもそも閑な病院では、「治癒」のメリットがありません。(笑)
また、医師は事故を恐れる余り、少しの我慢も患者に強いることはありませんから、
薬を減らす取り組みには、患者自身の積極的な係わりが不可欠です。
時には理解を深めるため、主治医を通じて薬剤師の指導を受けることが非常に有効なこともあります。
たとえば、服用後の薬剤血中濃度カーブを知り影響を理解することで、心構えと安心を得ることができます。

*以下、鈴木藍子の私見です。
精神医療に限らず、足し算の医療についてのみ対価が支払われる診療報酬の仕組みは、引き算の医療をないがしろにします。
薬から解放されなければ、症状は無くなっても病気が治ったことにはなりません。
一般的に、診療報酬請求書上「うつ病」の転帰で「治癒」を目にする機会はめったにありません。
でも、うつ病は必ず治るという常識が浸透している病気です。
クリニカルパス」の確立が理想ですが、減薬から治癒のプロセスはある程度標準的な設計がなされ、その達成に対し診療報酬上の評価がなされるようになることを希望しています。