あなろぐばあちゃんのつぶやき

Yahooブログ育ち、4人の孫のおばあちゃんです。

職場における働く母の役割

 育児休業等、関連制度の充実が図られ、職場は子育ての環境が少しずつ整ってきた。
 しかし、これが少子化阻止の決定打になるとは誰も思っていない。
 これらの制度を利用しやすい環境を作ることが重要である。
 企業によっては、第三者評価に向けて実績数確保のために、男性社員に育児休業を取得させた話しもメディアから伝え聞いた。
 子供を持つことの素晴らしさを伝え、人として子育てが魅力ある仕事であることを理解し受け入れてもらわなければ、制度は骨抜きである。

 それは、今そばにいる職場の女性達の母性、産み育むという性を多少なりとも意識し、理解することが重要であるように思う。
 少子化は社会の深刻な問題であり、私達の働くこの職場もその社会の一部である。

 昔、良きにつけ悪しきにつけ、先輩女性職員と私的に言葉を交わすことが多かった。
 その中で、様々な子育ての苦労とともに子供さん達の成長の様子を知ることは、自分自身が子育てを行う時大きな支えになった。
 初めて抱いた乳飲み子が我が子だった私は、小さくただ泣くだけの頼りない生き物である赤ちゃんは、全く未知の存在だった。不安やとまどいだらけの子育てであったものの、あとどれだけすれば、○○ちゃんみたいになる。そして、私も先輩みたいに少しゆとりが持てるに違いない、その思いは希望であった。
 
 ただでさえ、核家族化と合わせ、地方小都市でも住環境等の都市化が進み、「近所のオバチャン」とのふれあいなど望めないことが多い。ましてや、人間の生活時間の殆どを職場で過ごす女性の孤立は結構深刻である。

 効率化が進行している職場では、男性と同様に女性同士の交流の機会も希薄になりがちである。
 加えて女は、お酒ゴルフ等より家事を優先してしまうのである。
 また、姑や小姑根性と取られては心外という女性独特の感覚があるのも事実である。
 ただ、たとえひとりでも、他人の子育ての経験を自分の近い将来と重ねてささやかな安心を得てくれるとしたら、昔私を助けてくれた「ふれあい」を大切にしたい。常日頃から、心がける必要があると思っている。

 昔、とても素敵で尊敬していた完璧な印象を与える先輩とバスで乗り合わせた。
 「離乳食の時期よねぇ。内の娘が小さい時、おろしりんごが大好きだったから、試しに大人の大根おろし口に入れてみたのよ。そしたらね、ペっペペペペェ~っ!て。あはは。。。それから、りんごも食べなくなったよ。」と豪快に笑いながら昔話をしてくださった。よく泣き、食の細かった息子の離乳に悩んでいた時期だった。肩の力がすぅっと抜けた。
 今もその先輩の笑顔が忘れられない。

 取り敢えず、ふたりの子供達は無事成人してくれた。
 先輩と比べれば、かなりずっこけた母だが、それなりの安心を与えることもあるかも、と思っている。
 とにかく、二人の子供達を育ててくれた周囲の環境にこれからお礼をする番なのだ。