あなろぐばあちゃんのつぶやき

Yahooブログ育ち、4人の孫のおばあちゃんです。

冷凍餃子と、古箏と・・・

今回の旅行では、いくつか胸がどきどきするようなステキに出会うことができました。

その中で、どうしても、今だから、ここに書いておきたいことがあります。

古箏の音色、鄭芙蓉さんの素晴らしい演奏に、あなろぐの魂はゆさぶられました。

忘れないように、感じたこと、思ったことをここに書いておきます。





古箏は、中国の伝統的な民族楽器で、二千年以上の歴史を持ちながら、今も多くの人々に愛される楽器です。

また日本のお琴のルーツでもあり、音色自体は私達に耳慣れたもので、あのどきどきは血のなせるワザだったと言えるのかもしれません。

演奏家の力量で、中国の伝統的な音楽には存在しない音律までを弾きこなし、日本の曲も完全にご自分のものになさって聞かせていただき、ただただ感動しました。

会の後、どうしてもCDをわけていただきたく、会を主催された団体のメンバーに無理を申しあげ、楽屋を訪ねることができました。

感動をお伝えし、つたない励ましの言葉に、とても素敵な笑顔を見ることができたのは、慣れていらっしゃらないサインをいただいた以上に、嬉しいことでした。




私はこれまで、仕事などで、何人もの中国人留学生達と触れあう機会をいただきましたが、「善意」に「オウム返しの付け届け」で応える習慣には嫌悪をおぼえ、どうしても「中国人」が好きになれませんでした。

なにせ、貸しを忘れ、出来た借りは温めて、いつかそれを返すことを望む中で、良好な人間関係をつくろうとしたりする、古い日本人には、中国人の功利主義に根ざした行動はまさしく真逆のものなので、致し方ありません。

とても残念なことですが、きっと、肌に合わないとはこういうことを言うのでしょう。

ただ、大きな夢を描き来日したものの、志半ばで帰国したり行方知らずとなった若者達の笑顔や涙を思い浮かべる時、日本という国のいびつな豊かさや冷たさを、ひとりの誇り高き日本人として、嘆かざるをえません。

アジアの隣国にはそれぞれ、きっとひとつにはなれないからこそ育まれた、独特の文化や気風があります。

また、理解のために求められる知識は無限で、一方、書き手の主張や書かれる場所の色に染められていない記述は皆無である現実の中で、知識や思考だけでは、本当の理解と、お互いの程よい距離を見いだすのは困難なのではないでしょうか。

難しいことは、痴性派あなろぐにはわかりませんが、この現実の中でお互いの心地よい関係を導き出すためには、ひとつの事象にとらわれず、嫌いな部分を非難する前に、お互いの好きな所に目を向けて見ることが大切で、今お互いに求められるべきことなのではないかと思っています。



あらためて、中華思想を除けば、私は案外、中国が嫌いではないように思えます。

そして、中国はじめ各国の文化を受け入れて、それらを消化(あるいは昇華)しながら、独自の文化を育んできた、多くの先人達には感謝するばかりです。

中国では水餃子がポピュラーだそうですが、これを焼餃子にして庶民の大好物にした日本人。

暮らしに一番身近な食に関して言えば、安上がりの中華料理のコースをお腹一杯食べれば、この歳ではちょっとこたえますが、中華料理は大好きです。

また、宴席に、ローストビーフにエビチリ、はたまたちらし寿司を並べてしまう日本人。

たとえ嗤われても、これを美味しくいただいてしまうのが我々フツーの日本人なのではないでしょうか。

食文化に代表される、こんな日本人の節操の無さは、言いかえれば心の広さなのではないかと思っています。

ただ、日本人の美徳とされる「おくゆかしさ」は、わかりづらさでもあり、残念ですが、未知の人に不安や猜疑心を与える原因にもなるようで、言葉の壁もあり、真意の伝わらないもどかしさをいつも感じるのです。

「好きだ♪」とか「愛している!」だとかが言えない日本人。

器用に見られながら、案外ぶっきょちょなのが、我々日本人です。

今更器用にはなかなかなれませんが、思い切って、好きな者は好きと伝えれば、広がるいい展開があるかもしれません。





熱々の焼餃子は美味しいものですが、冷凍食品となり、完璧な管理がなされたにも関わらずおかしなものがはいっていたとなれば、もうどうしようもありません。

真相究明はなされるに超したことはありませんが、あなろぐは「もう、いいからぁっ!冷凍餃子なんて食べなきゃいいのよっ!!!」ってのが、残念ながら本音です。

餃子の冷凍はやめて、そろそろ、お互いの頭を冷やすことを真剣に考えた方がいいように思っておりました。

冷凍物が原因だけに(苦笑)、両国の関係がすさみ冷えていく中、伝統的な旋律とともに、素晴らしい「川の流れのように」、そして哀愁を帯びた「赤とんぼ」を思い出し、あの場所に巡り会えた幸せに感謝です。





んで・・・、あなろぐは例によって、酔っぱらいハイとなり・・・、実は、楽屋に紛れ込んで感動を伝えるつもりが餃子の話しについ走ってしまったのでした(汗)

おかしなオバチャンの戯言が、かのK大博士号を持つ才媛にどう届いたのかはわかりませんが、取り敢えず、帰り際の素敵な笑顔に安堵♪

素晴らしい演奏家には、それを含めて、あらためて感謝するばかりです。

そして、親日家を育て、国際社会に貢献するための力なんて、残念ながら、何一つ身につけてこなかったあなろぐですが、色々な場面で、気持ちを伝えることはできるように思います。

これからも、私なりの「好き」を伝えるとともに、この豊かで冷たい国にきっとある、温もりや、彼らの「好き」を、折々に一緒に見つけることができたらと思います。













中国人留学生に限らず、きれい事だけでは済まされない留学生支援。

特に欧米諸国外からの留学生支援には、差別や偏見とともに、経済的な問題も深刻で、本気で関わろうとする人はあまりおられません。

私自身も、残念ながらその大勢のひとりです。

若い頃の希望をエネルギーに、本気で留学生支援に関わっておられる、kiriyonさんに、あらためて敬意と感謝です。



今回の旅で、私は、京都、その街がますます大好きになりました。

やわらかくてクールで、でもやっぱり温かくて、とびきり美しい京都を満喫することができました。

1泊旅行など旅の内にはいらないって、何となく思っていたのですが、この充実した素敵な一泊二日は、やはり、濃い旅だったように思います。

お会いできたたくさんの皆さま、本当にありがとうございました。