あなろぐばあちゃんのつぶやき

Yahooブログ育ち、4人の孫のおばあちゃんです。

うつ病の人を支えるということ

 数年前に機会あって、うつ病などの精神疾患の方々や不登校の子供達、その御家族と過ごし、たくさんお話しをしたことがありました。それらの経験をもとに、私なりの思いを、このような患者さんと親しく接する方へお伝えしたいと思います。

 まず、病気は決して家族の責任ではないことを認識され、健康な方の常識をもって正面から病気の方と向き合っていただきたいと思います。これは、不登校の子供との対話の中で感じたことですが、「自分が学校に行けないことで、親を苦しめていること」が子供にとってとても大きな苦しみになっているように感じました。話を聞けば、どこも立派なご両親で愛情をもって接しておられる方ばかり、それ以上の期待や親としての責任を周囲をはじめとして、ご両親自身が負うべきではないと感じました。これは、大方のうつ病の方の家族に対しても言えることです。

 そして、何が「支え」になるか。私はやはり、ひたすら愛することだと思います。愛され、存在を認められているという実感は、たとえ本人が「負担だ」と口にすることがあったとしても、結局はその方の大きな支えになるものです。ひるまずに、抱きしめてください。そして、その方にとって「心地よい」感覚を味わう時間を、日常の生活の中でたくさん作り、可能であれば静かに共有してあげてください。その際、否定思考を増長させるようないたずらなあいずちや同調する言葉は、慎むことが肝要です。おいしいコーヒーや心地よい音楽、ひだまりでぼんやり、季節の果物を味わうetc.です。どこかに連れ出して気分転換を図るよりよいと思います。
 そして、「自分がついているから大丈夫。」と伝え、安心を与えてあげてください。周囲の方自身が必ず元気になることを信じて、明るく希望をもって接することが大切だと思います。

 また「頑張れという励ましは禁物」という常識の中で、ややもすれば「腫れ物扱い」になりがちですが、私は励ましはあってよいと思います。必ずできることを促し、達成感を共有することはとても、有効だと思うからです。たとえば、今飲んだ珈琲カップを洗うこと、お茶碗のご飯を残さず食べることなどです。朝起きであれば、日常の行動まで行き着かなくても、体を起こし目を開け、しばらくお日様を眺めるだけでもよいのです。「当たり前のことができない」という思いこみを、ささやかな達成感で打ち消す経験はとても貴重です。さりげなく「負の思考の否定」を繰り返し、プラスの「すり込み」を行うことが大切です。

 負のスパイラルから救い出すことは容易でないものの、結構、周囲の方のお手伝いがあれば、ひととき上手にはじき返すことができるものです。瞬間でもよいから、心地よい感覚を取り戻してあげること。もし、その感覚の中でささやかな感謝の気持ちを持つことがお出来になったら、それはきっと回復の種火です。消えたら、負けずに何度でもつければよいという気持ちをもって見守ればよいのです。
 結局、難しいことは考えない方がいいのかもしれません。「ごめんなさい。」が「ありがとう。」「こちらこそ、ありがとう。」に変わればしめたものです。
 是非、あたたかな交流の時間を、たくさん共有されてください。