前にここに佇んだのは、まだ祖父が存命の頃、
迷子になってやっとたどりつき、
薄暮の霞に連なる山々の景色を眺め、
美しさ、夜に向かう一歩手前の儚い景色に胸を打たれたのは、もう昔のことです。
あれから、この村は、”オウム”で痛めつけられ、私の足が遠のいて久しかったのですが、
穏やかな暮らしがそこに戻っている様子に、安堵しました。
空と大地。
風に揺れる、まだ紅みのさす薄の穂、
遠くに連なる山々の間にある人々の営み、
おおよその、日常の出来事は、とてもささやかなことなのだと、
景色は私に語りかけてくれているように思いました。
野菊、咲いておりました♪