動物が好きな旧い友人のこと

　旧い友人から突然の電話。声も話し方も、やさしさも昔のまんま。
　転勤族の御主人のお仕事の関係で各地を転々としてきた彼女。私自身も療養の時期があったりで、何年もお付き合いが途絶えておりました。仕事の関係で、私の職場のOBである彼女の父上と、思いがけずお話する機会があり、名刺をお渡ししたのが先週末のことでした。彼女は今、私の娘も暮らす隣の県で、単身赴任の御主人の留守を守っているとのこと。

　彼女の父上は仕事では厳しいと評判の方でしたが、家族思いのやさしい方で、今も昔も、娘の友人まで気がけてくださるのはありがたい限りです。
　昔、つわりで体重も減り具合が悪い時、彼女の母上が手作りのアップルパイをおみやげに休日の我が家を訪ねてくださったことがありました。聞けば、顔色の悪い私を職場で見かけられ、何かおいしいものをという話になり、お母様がパイを焼いてくださったとのことでした。その時友人は他県の大学生でした。

　子育てや療養など、大切なお付き合いが疎遠になるのは寂しく心苦しいものです。
　でも、また温めあえることをとても嬉しく思います。
　７歳になるシマリスのために、１泊の里帰りもままならないとあらば、近々こちらからお訪ねしようと決心しました。
　野良犬を学校で大切に育てていた少女は、今、やはり動物好きのやさしいオバチャンです。
　
　彼女は今も、私の大好きな、そしてとても大切な友人のひとりです。子育て一段落、静かに旧交が温められるのも、歳を重ねた御褒美かもしれません。まわりの人の和のぬくもりに、あらためて感謝です。