あなろぐばあちゃんのつぶやき

Yahooブログ育ち、4人の孫のおばあちゃんです。

亡き祖父とマウンテンバイク

靖国」と「お地蔵さま」で登場した亡き祖父のことを少し書きます。

 若かりし頃、博打と草野球が趣味、鉄砲玉若旦那だった祖父は、とぉ~っても無責任だけど飄々として憎めない人でした。多忙で厳格な父に遊んでもらった記憶は殆どありません。その代わり、幼稚園に上がる前、近所の映画館とパチンコ屋に夕食後、祖父に手を引かれ1日おき位に通った(トンデモナイ)思い出など語り尽くせません。他の家族にとってはきっと「困った人」だったに違いありませんが、私にはいい祖父でした。

 私自身は祖父に何もしてあげることはなかったのですが、でじはお出かけ好きな祖父をよくドライブなどに誘ってくれました。「(うちの孫は)嫁のもらい手などない。」昔よく言っていたので、嫁いだことだけが、おじいちゃん孝行だったのかも知れません。

 そんな祖父に私(とでじ)はひとつ心残りがあります。
 壮年期以降、90歳位まで祖父の一番の趣味はサイクリングでした。「国道の癌」と陰口をたたかれてもこぎ続けました。でも、さすがに晩年は足が弱り、自転車をこぐことはありませんでした。こぎ出す時と止まる時がダメ、と言っていました。
 私が気まぐれに購入したマウンテンバイクを見つめ「これで、走りたい。」とつぶやいた祖父。3台の自転車を並べて走ればなんとかなったように思え、「ささやかな夢」を叶えてあげられなかったこと、それが「大きな心残り」です。

 そんな訳で、「ささやかな夢」を確実に叶えるために、小さな努力をすること、余計な我慢をしないというのが私の生き方の基本になりました。
 「夢」は子供の進路から、ハシリのさくらんぼを買うかどうかということまで色々なのですが。
 とりあえず、チャレンジしなかった後悔より、チャレンジして失敗(スッパイ?)した後悔が、私にはやはり似合っているように感じています。

 今春音大を卒業したアーティストを目指す息子は、見当違いの進路に進みますが、音大進学に賛成したことに悔いはありません。日々の暮らしの中でも、夢を持ち続けてくれると信じています。