ムスカリ

青紫の鮮やかな、そして愛らしい花が今年も咲いた。

「今年は咲かないね」でじが寂しそうにつぶやいたのが先月末。

小学校低学年だった娘の鉢植え。
２月地元恒例行事の植木市に授業で出かけた時、お小遣いで求めたもの。

夏の照り返しが厳しく、たくさんの鉢植えを枯らしたルーフバルコニー。
雑草の茂るプランターの横で、殆ど放置されている。
でも毎年、季節を忘れずに健気に花を咲かし、私達の目を楽しませ続ける。

命は素晴らしい。
そして美しい。

花の数もあまり変わらず、育った印象はなかったけれど、
気がつけば鉢の土が盛り上がっている。
きっと、たくましく根が育っているに違いない。
時期を見て、植え替えをしてあげることにしよう。

娘が家を離れ丸３年。
頑強とは言えない小さな身体で、いつも一生懸命の娘。
心配は尽きない。

春休み。
帰っておいで。

せめて、手料理の食卓を笑顔で囲みたい。
ムスカリの花を眺めながら。