あなろぐばあちゃんのつぶやき

Yahooブログ育ち、4人の孫のおばあちゃんです。

クリスマスカード

今年も、街が華やかなイルミネーションで飾られる季節になりました。

仕事の帰りに、ミュージアムショップで、
クリスマスカードを何枚か買い求めました。

その年に、新しく出来た大切なお友達、
旧交を復活することができたお友達、
ご無沙汰している、気がかりな方・・・。
年賀状とは少し違う、特別な方々に、カードを書きます。

だけど、書きたくても、どうしても書けない、
大切なお友達がいます。

昔、まだ、ネットの普及が走りの頃。
チャット仲間のひとりだった、なっちゃん

その中にまた、限られた命を生きる、とても健やかな心を持った素晴らしい青年がいました。
何故か、なっちゃんの代わりに私が埼玉に出かけて彼に会いました。
なっちゃんが幼い子供を連れ、彼のもとに嫁いだのはそのすぐ後でした。
彼を讃える得体の知れないオネエサンの言葉は、少なからず気持ちに勢いをつけました。

それから、何年も経ち、色々なことがあって・・・。
私が長い長い療養を終えた頃、思い立ってなっちゃんに電話をかけたのが数年前。
それは、彼が数日前に天に召されたすぐ後でした。
たとえようもない悲しみの中、電話をただ喜んでくれた彼女。

クリスマスは、彼の命日です。

音楽を生業として、ひたすら生きる彼女。
心配の種のやんちゃな坊やと二人、生きる彼女。

七日、七日の法事がお終いになる頃、彼女を訪ねた時のこと。
そこには、たしかだった、素晴らしい、愛に満ちた、温かい三人家族の暮らしがありました。
彼の遺影は、まぎれもない父の穏やかな笑顔をたたえていたことが忘れられません。
それだけに募る、彼女の嘆きや悲しさ。
何も手を貸すことができず、時折ご機嫌伺いのメールのやり取りをするのみでした。

色々な出来事に心を揺らしながらも、明るくひたむきに生きる彼女。
何年も経つのに、その彼女に、どうしてもまだ、クリスマスカードが書けないままでいます。

華やかすぎるイルミネーションを眺める人。
クリスマスソングを聴く人の思いは様々です。

ホワイトクリスマスの優しすぎるメロディー。
「書き終えたクリスマスカード」に安堵するには、あと何年かかるのでしょう・・・?

慌ただしさに振り回される前の今時分。
買ったばかりのクリスマスカードを前に、静かに大切な友人のことを思うのです。








* 小説に書けば、リアリティを欠くような、美しすぎるネットラブストーリー。
  その美しさも、悲しさも、私は到底書き尽くせません。

  恐らく「オフ会」と言う言葉が出来た頃のオフ会を楽しんだことがあります。
  ちょっとオタク系や、チョッピリ寂しがり屋が顔を連ねる楽しさ。
 そのオフ会でさへ顔を合わすことなく、ネットだけで結婚までに愛を育んだ二人。

  あれから、世の中も変わりました。
  旧き良き時代が創った、奇跡のラブストーリーだったように思います。