あなろぐばあちゃんのつぶやき

Yahooブログ育ち、4人の孫のおばあちゃんです。

木を植える男に似て・・・

 7,80人程が古民家の2間続きの畳の部屋に集まり、チェロを聴きました。
 ピアノは間仕切りを外した隣室、エアコンが効かない中、湿気を避けるため戸を閉めて・・・恐らくこれまでで最悪の環境でのコンサートでした。
 演奏者と楽器にとっても過酷なコンサートであったと思います。

 でも、お母さんの膝枕でバッハのプレリュードを聴く子供の満ち足りた顔。
 アヴェマリアにご機嫌な赤ちゃんの、喃語と鳥のさえずり。←決してノイズじゃないんです!

 終演後、開け放たれた戸口から飛び込んできたのは、お庭の豊かな緑とともに心地よい風。
 手作りのお菓子とお茶をいただいて、しばし歓談。

 街中とは思えない、大樹の緑とその陰の美しい苔。
 案内してくれた友人と庭園散策を楽しみました。
 見事な楓に目を奪われて、秋に是非お庭を拝見させていただきたいとの申し出に、奥様が持って来られたのは、雪景色や紅葉のお庭の写真でした。素敵な笑顔で「是非、いらしてください。」と快諾いただき、早くも今年の紅葉が待ち遠しくなりました。

 お住まいを今回解放されたご夫妻とともに、このサロンコンサートを開いたのは、普通のお母さん達でした。子供達に豊かな文化を、その思いを共にする方々です。

 ホールでのコンサートはお行儀良く聴こうとする前に、子供は会場にはいることも許されません。
 また、赤ちゃんの喃語はノイズにしかなりません。
 幼い子供達が生の演奏を聴く機会を作る取り組みは、素晴らしい社会貢献です。
 木を植える男の行いに似ています。

 思いを成果につなげるための、ささやかな行動の積み重ね。

 普通の母達の熱い思いは、今日も子供達に音楽を聴く楽しさを伝えてくれました。
 母達であるが故になせる技です。